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HOMESPECIAL > 子どもたちの未来に、背景ごと美しい食の文化を

 2022年11月、鉾田の地に新たなムーブメントが誕生しました。

 農業人としての業績に優れ人柄も質実であると互いに認めあう生産者が、100年先の未来にも誇れる農業体系を共に創造していこうとする会を結成。それが「美食材の街 匠の会」です。(*以下「匠の会」) それぞれの分野においてトップランナーと称される人たちが、品目の垣根を越えて、行政や既存の組織と関わりを持たない自由なフィールドで手を取り合う画期的なプロジェクトです。

 「匠の会」オフィシャルサイトのタイトルは『BE FOOD.』。beとfood、二つの英単語を並べて直訳すると“食べものになる“という意味ですが、目指すところは単なる品質重視の生産だけではありません。人にとって、環境にとって、未来にとって、真に美しい価値をもつ食べもの、『美食材』を提供していこうということを活動の指針としています。

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なぜ「匠の会」は結成されたのか

 「匠の会」の会員は現在13名。無農薬栽培のベビーリーフをメインに複数を手がける畠会長を始め、イチゴ、メロン、スイカ、トマト、長芋、ぶなしめじ、干し芋、原木しいたけなどを作る農家が参加しています。皆その道の名人として名を知られ、人としての信頼も厚い人物ばかり。それこそが「匠の会」の会員条件であるからです。

 それぞれに独自の販路を持ち確固たる経営を行っていますので、現状打破の必要に迫られているわけではありません。また作っている品目の違いもあり、特別な親交があったわけでもありません。現状の仕事だけでも十分多忙であるにも関わらず、なぜ匠たちは新たな事業に協働していくことを決意されたのでしょうか。

 それを知る助けとなる言葉をご紹介しましょう。この会を立ち上げた発起人であり、副会長を務める村田和寿さんが、「匠の会」が発足した翌日にFacebookに上げた文章です。

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「美食材の街 匠の会」発足。地域の活性化を目的とした会が発足しました。世界人口は80億に達し、食べ物がなく飢餓に苦しんでいる人々がいると伝えられています。農業に携わるものとして以前から何かできないだろうかと自問自答していました。我が国日本だけを見ても自給率が低く推移し農業者の高齢化も進み、これからの食を考えた時に不安を感じていたのは私だけでは無いはずです。

そこで立ち上がったのが13名の農業者です。それぞれの生産物はたくさんの方々から評価を受け、名だたるところで取引されています。そんな13名の匠とボランティアでお手伝いしてくれる3名、合わせて16名で未来の食や農のあり方を変えて行きたいとこれから活動して参ります。

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「美食材 匠の会」のミッションとは

 多種多様な農産物が生産され、日本一の産地といわれる鉾田市ですが、それでもやはり人の手が入らず荒れてきた山が散見され、雑草におおわれた耕作放棄地が増えつつあります。土地の記憶が失せてしまう前に、志高く農業に取り組んでくれる担い手を増やし、たいせつに培ってきたこの地域の土のことを伝えることが急務です。

 100年後には世界の人口は100億人を突破すると言われています。今でさえ激しい変化を続けている社会状況を鑑みると、これから先もずっと食材の宝庫という冠言葉をつけられるとも限らないのです。

 食料自給率のこと。農業のこれからについて。子どもたちの未来に良い環境を繋げていくために。日々空と地面の間で、自然とともに生きる自分たちだからこそ気づくことがあり、語れることがあるはず。それを発信し、仲間を増やしながら行動していこう。そう考えた「匠の会」は、以下のことをミッションとしました。

 1.命の根源となる、この地域ならではの“美しい食材”を生産し、提供すること。

 2.大自然の運行の運行を知り、この地域にしかない“美しい景観”を保全し、活用すること。

 3.この地域らしい“心の美しい人”を育成し、仲間(同志)を増やしていくこと。

 これら3つの美を追求するならば、その活動は農業の範疇にとどまらず多岐にわたっていくと展望しています。そしていずれは鉾田だけでなく日本国中に「美食材の街」を広めていきたい考えです。

アクション、スタート!

 年明けて2023年1月にはつくば市内のマーケットにて、いちごの販売イベントを行いました。生産者ごとにそれぞれ特徴の異なるいちごを対面販売でご紹介。消費者の皆さまと直にふれあいながら、作物が育った環境のことなども伝えていく機会はこれから盛んに行っていきます。

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つくば市内のスーパーマーケット「BLΛNDE」で開催した店頭販売会

 

 3月には台湾から20名の生産者を迎え、「台日友好農業精鋭交流会」を実施。鉾田市のほか、水戸市や常陸大宮市、美浦村など、茨城県内を4日間で巡り勉強会や情報交換を行いました。地域の農業力を高めると共に、茨城空港を拠点としたインバウンドの局面でも「美食材」をアピールしていきます。

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台湾の生産者ら20名からなる「台日友好農業精英交流團」が来訪

 

 

 そのほか、匠の作る「美食材」のオンライン販売や旅行業者や学生の皆さんともタッグを組み、生産地ツアーや食にまつわる体験の機会も創出していく予定です。

 価値ある食材を創り出す美しい生産環境は、料理人や美食家の関心を呼び、旅人や移住者が増えていくことも考えられます。生産物をアピールするだけではない、文化を作るまちづくり。まずは鉾田市が、「美食材の街」の最初のモデルケースになっていくことを目指しています。

 

[美食材の街 匠の会 メンバー紹介] 

各生産者の紹介記事をご覧ください。

畠 長弘さん[長右衛門ファーム]

畠 長弘さん[長右衛門ファーム]

伊藤 健さん[伊藤農園.F]

伊藤 健さん[伊藤農園.F]

村田 和寿さん[村田農園]

村田 和寿さん[村田農園]

小見 洋市さん[おみ農園]

小見 洋市さん[おみ農園]

宇佐見 達夫さん[うさみ農園]

宇佐見 達夫さん[うさみ園]

石田 和徳さん[山一ファーム]

石田 和徳さん[山一ファーム]

高島 修一さん[高島農園]

高島 修一さん[高島農園]

大場 克利さん[大場農園]

大場 克利さん[大場農園]

櫻井 哲也さん[櫻井農園]

櫻井 哲也さん[櫻井農園]

風早 総一郎さん[風早農園]

風早 総一郎さん[風早いちご園]

箕輪 竜さん[箕輪農園]

箕輪 竜さん[箕輪農園]

林 洋一さん[林しいたけ農園]

林 洋一さん[林しいたけ農園]

鬼澤 宏さん[鬼澤食菌センター]

鬼澤 宏さん[鬼澤食菌センター]

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美食材の街 匠の会 公式ウェブサイト「BE FOOD.」はこちら

 

【取材録】

「匠の会」は、いわば野球やサッカーの日本代表がそうであったように、いつもはまったく違うチームで活躍し、時には競合する立場であっても、同じ志の元で刺激し合い、高めあいながら、地域全体を引き上げていこうとするチャレンジです。
農家発、おいしくて安全な食材と美しい景観をつくり、地域を支える人々の美しい心を醸成し、未来に誇れる「美食材の聖地」を目指していく事業。実に画期的な意識改革の現れではないでしょうか。これからの活動に期待しかありません。

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