いばらきの生産者

HOMETOPICSTOPICS01 > 株式会社レインボーフューチャー

 電気関係のサラリーマンから就農者へ一転。何も分からない状態から、農業を一途に邁進し、今では「紀伊国屋」といった高級店から「サティ」など量販店、「ジョナサン」などファミリーレストランまで幅広く取引先を広げる躍進ぶり。新規就農者のトップランナーとなったレインボーフューチャーの足跡をうかがいました。

収穫を焦らず時間を掛ける有機野菜

-農業を始める前は電気関係のお仕事をされていたのですか。

大和田さん 経理畑のサラリーマンで、農業なんてまるで分かりませんでした。ところが会社が農業法人を立ち上げたのです。それで私が担当になり、無我夢中で農業に取り組みました。6年ほどは毎日畑に出て作物を育てました。こうやると失敗する、こうやると肥料に食われてしまう−といろんな実験、失敗を繰り返して、こうやれば野菜は育つと分かるまでには相当時間が掛かりました。

-それから独立されたのですね。

大和田さん 野菜は気心を込めれば成長するということが分かり、野菜の栽培が分かると魅力が出てきました。2000年に農業法人を立ち上げて、5万円のトラクターを買ってたった二人で本格的に農業に取り組みました。最初はベビーリーフを作りました。当時は今ほど広まっておらず、高級レストランだけのものでした。それじゃこれをファミリーレストランで出せるようにしようと、「こういう野菜を提供したい」とジョナサンに提案して受け入れられました。

-いきなり大手に売り込みを行ったのですか?

大和田さん 営業で東京中を回りました。野菜作りに関しては当時は素人でまともに話せない。だから野菜に対する気持ち、情熱をぶつけました。「サティ」に話してみたら、大阪のバイヤーさんが来て「やりましょう」ということになりました。最初はモロヘイヤでしたが、高い評価を受け、「紀伊国屋」さんをはじめ高級スーパーと言われるところはすべて周り、東京進出を果たすことができました。東武デパートや伊勢丹などお歳暮の注文がきたりして、「今度はこんな野菜を入れましょう」と徐々に栽培する種類も取引先も広まっていきました。

-有機栽培が決めてですか?

大和田さん ひとつの商品開発には3年はかかります。農薬を使えば簡単ですが、お客さんに本当においしい野菜が食べたいと言われると時間が掛かります。畑の状態、虫や雑草の発生時期、暑さ、寒さ、いつ植えて、いつ収穫するか−そういう技術を高めて納得した野菜が収穫できます。トウモロコシなどは4年掛かりました。農薬を使わないことで末端のお客様がら電話がありました。「農薬アレルギーで野菜が食べられなかったけれど、20年ぶりに野菜が食べられました」というのです。うちの野菜で喜んでくれる人がいて、そういう人が支えになっています。しかし有機だからといって虫が食っていてはダメ。そこは栽培技術です。

-取引先が増えれば規模も拡大しなければなりませんね。

大和田さん 野菜のバリエーションを増やすためには仲間作りも大切です。北海道の生産者グループと意気投合しまして一緒に作っています。こちらの技術を教えて野菜を作ってもらい、できるだけ中間マージンは発生しないようにし、リスクを分散する工夫もしています。

-野菜の生産、販売の次はどんなことを考えていますか?

大和田さん 環境を重視した循環型農業です。長野県などに成功事例があるのですが、ここでもそれを実践したい。下妻の学校給食の残飯が1日何㎏もあってそれを堆肥化させています。残飯には化学調味料なども含まれているため、1年間寝かせて微生物に分解させます。窒素分の少ない柔らかな堆肥ができて、それで野菜を育てる。それを保育園などへ提供しています。子供たちの食環境が悪すぎるので、循環型農業を将来確立させたいです。

【取材録】

 新規就農して10年足らずで、首都圏進出を果たしたレインボーフューチャーの成長の陰には、根気の要る栽培技術の確立がありました。食の安全、安心の洗礼を真っ先に受ける首都圏での販促には、本物の有機野菜であり、本物のおいしさが求められます。そのために費やされた時間は無駄ではなく、成功のために欠かせない時間でした。積極的な売り込みも必要ですが、結局は「生産者」という立場を忘れない大和田さんの姿勢がバイヤーの心を動かしたのでしょう。
>ホームページ http://www.rainbow-future.com/

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