いばらきの生産者

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神栖市はピーマンの一大産地。全国最多の出荷量があり、首都圏への安定供給を担う重要な生産地です。その中で「ちょっと新しい風を吹かせたい」と立ち上がった9人の仲間が会社を立ち上げ、カラフルなミニパプリカの栽培に乗り出しました。そこには将来を見据えた、いくつかの理由がありました。

カラフルでジューシーなスイートカクテルペッパー

ーなぜピーマン以外の作物を作ろうと思ったのですか。それがなぜミニパプリカだったのか、教えてください。

飯田さん ピーマンは連作障害が出やすい作物ですが、神栖の土地は砂状で水はけがよく、ピーマンの生育にとても適しています。もう50年もピーマン作りをしてきた土地柄で、これからも緑のピーマンが主力商品であることに変わりはありません。ただ、震災後ピーマンの相場が相当変動しているんです。それに加えて臭化メチル剤という土壌消毒剤が全廃になり、ピーマン農家にとっては土作りの根本から考え直す時期が訪れたと感じました。地域農業のこれからを考えて、もっと多角的な経営を視野に入れていこうと、農家6人、異業種の仲間3人とで会社を興しました。
 今あるピーマン用の施設をそっくり使って作れるのがパプリカです。これまでも皆さんが普段目にするパプリカも作ってきましたが、形や色づきの点でB品のロス率が高く、何かもっと良い物はないかと探していた時に、オランダからタネを輸入している業者から紹介されたのが、ミニパプリカの種でした。作ってみたら既存のパプリカよりも糖度が高く、フルーツのようにおいしくて、これはいい!と思いました。赤が一番ピーマンらしい味があり、黄色はさっぱりとした酸味、オレンジ色のは少しリンゴっぽい風味で甘みが強い。それぞれに魅力的で、食べてみて一目惚れでした。いずれは直売所も作りたいと思っているので、多種多様な作物を手がけていきたい。その第一弾として、日本国内でまだあま り作られていないこのミニパプリカがふさわしいと思い、積極的に作付けを増やし、スイートカクテルペッパーの名で商標登録も済ませました。

無理なく続けられる農業の提案

ー普通のピーマン栽培とはどのような違いがありますか。

飯田さん パプリカ栽培に必要な施設や肥料、薬品の類いはピーマンとほぼ同じですが、通常のパプリカの場合、栽培の仕方が多少違います。その点ミニパプリカの方がピーマンの知識を生かせる特性があり、作りやすいと感じています。苗は線虫さえ付かなければ1年半くらい保ちますので、ピーマンに比べて長期に収穫できます。着果不良させないように摘果することもなく、好きなだけ成らせたままにできるので手がかかりません。不揃いな形や大きさもこの種類の特徴であるということが大前提ですので、B品率はほぼゼロ。小さければ小さいなりにプチトマトの代わりに使ったり、丸のままピクルスにしたりと、一口サイズで食べやすいですし、不揃いの可愛らしさがあるんですね。色の効果というのも大きくて、作っている私たちも、ミニパプリカのハウスのビタミンカラーに癒されるのを実感しています。
 また、ピーマン栽培はとても忙しくて、出荷の手間もかかり、年間を通してほとんど休みがないんですね。その点ミニパプリカならピーマンほど手がかからず、少量でも単価が高いので、ある程度売上げが確保できます。これまでピーマンを作ってきた農家でしたら、施設をそのまま使えて、高齢になっても続けやすいという利点もあります。

多角的な展開を見据えて

ー今後の抱負についてお聞かせ下さい。

飯田さん エコファーマーの資格がありますので、今までもなるべく農薬に頼らず、害虫も天敵による駆除を行ってきました。還元型太陽熱消毒を始めて13年。5年前からは、それまで夏場1ヶ月だったところを2ヶ月間ハウスを休ませて、健康な土壌作りに努めています。ハウス内にはライブカメラを設置していつでも観察できる環境を整えており、温度、湿度、気圧、CO2濃度などを常時測定し、データを分析することで、安定した栽培を効率的に行うことができるようになってきました。また、高齢化する農業を担うこれからの人材育成も急務と考え、農業大学校で就農支援の講師をしたり、研修生も将来的に農業を始めようと考えている邦人の若者を受け入れています。
 いま現在はピーマン、スイートカクテルペッパー、クラウンリーフ(サニーレタス)、白いトウモロコシの他、耕作放棄地の再生のために、企業と全量契約のジャガイモ等を作っていますが、これから更に作物の種類を増やしていきたい。ちょっと個性的な作物を作り、それぞれに加工品も展開していたきたい。その先駆けがスイートカクテルペッパーなのです。ぜひ多くの皆様に、このみずみずしいおいしさを味わっていただきたいです。

【取材録】

消費者の嗜好に合わせて、という言葉はいかにも耳障りよく聞こえますが、私たちはそのためにどれほど作物に不自然を強いていることでしょう。形も大きさも不揃いで良いんだよ、それが自然のままの姿だから。そう言ってもらえるスイートカクテルペッパーは、農家の高齢化にも貢献する期待の星。一度食べた人からファンになるそのおいしさに、プロの料理人からも熱い視線が注がれ始めています。

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いばらきの生産者

藤田観光りんご園
藤田卓さん史子さん
DATE 2017.11.27
澤田茶園
澤田臣男さん
DATE 2017.11.08
樫村ふぁーむ
樫村智生さん
DATE 2017.09.20
武藤観光農園
武藤翔平さん
DATE 2017.08.08
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