いばらきの生産者

HOMETOPICSTOPICS01 > 福田グリーン農園

 かすみがうら市の旧千代田地区は、県内有数の観光果樹園地域です。筑波山系の東側に位置した温暖な気候と畑作には向かない土壌がマッチして、冬のイチゴからナシ、栗、ブドウ、柿、タケノコ掘り、サツマイモ掘りとオールシーズン、首都圏からの観光客で賑わいを見せます。千代田果樹観光協会長としても地域振興に力を注ぐ福田さんは、観光と農業との関わりを深める努力を続けています。

全国でも初めての農作物直売所が、観光果樹園へと発展

-この地域で観光果樹園が発展したのはどのような理由があるのでしょうか?

福田さん この地域で観光果樹園が出来たのは昭和37、8年のことです。昭和41年には協会も設立しました。実はその前に、国道6号線沿いに直売所を作った方がいて、通りがかりの人が立ち寄って、ものすごく売れました。農作物を直接売るという形態は全国でも初めてのことでした。それで一時は50、60軒もの直売所が出来たのです。やがて、お客さまに直接収穫してもらう、観光果樹の形態が生まれたのです。

-この土地は果樹に向いているのですか?

福田さん 土質は決して良くないんですよ。関東ローム層で水戸あたりは黒土ですが、この辺は半黒半赤の「半黒土」です。これは粘土質で、表土が少なくても根を張っていくブドウなどの栽培に向いていました。しかも山を背負っていて、北からの雲も降りてこない。前に霞ヶ浦があるため気候が暖かいという条件も果樹栽培には良かったのです。

-千代田の果樹にはどのような特徴があるのでしょう。

福田さん 果樹は収穫出来るまでには10年ぐらいの歳月が必要ですが、それだけに経営者にはこだわりがあります。ナシは見た目が悪くても味にはこだわっていたり、旧出島地区の栗などもどこにも負けない味だと自負しています。うちもそうですが、直接お客さまに味わってもらうものですから、肥料なども有機にするなど工夫しながら栽培しています。

-果樹園の形態や来園者はどのような方たちですか?

福田さん 観光バスを中心とした大型経営、個人のリピーターやフリーのお客さま相手の経営、直売所中心のところと大まかに3つに分かれます。直売所というのはロスが多く、リスクも高いのですが、ワイン造りに挑戦したり、バーベキューのコーナーを作って楽しんでもらうなど、各農家ともさまざまな努力をしています。また、そのようななか最近焼き栗を出したら、人気商品に育っています。

-福田さんのところにもバーベキュー施設もあり、休日は楽しそうですね。

福田さん 観光果樹の協会では入園料は統一しています。食べ放題です。自分でもぎとってお土産にする分は、東京市場での相場が基本です。お客さまは東京、千葉、埼玉、横浜などの方が多いですね。リピーターを中心に土日に多くの方にお出でいただいていますが、市と一緒にPRしながら、観光客の誘致に努めています。

-将来展望はいかがでしょう。

福田さん 果樹は手入れが大変です。果樹は収穫できる寿命も限られています。後継者問題はここにもあります。観光農園だけでは経営は厳しくなっています。それに加え、先ほど話したとおり、果樹が収穫出来るまでには10年ぐらい掛かります。新規就農者が参入しづらいのが果樹栽培です。しかし、自分で収穫するという体験は得難いものです。多くの人の笑顔が私たちの支えです。そのための努力は惜しみません。

【取材録】

 福田さんはこの地区の旧家で、江戸時代には77石の名主の家です。先祖の福田助六は税に苦しむ窮状を訴え出たために、打ち首になりました。そのさらし首を見た水戸藩主がその義行に深い理解を示し、ねんごろに葬られた「助六の首塚」(市指定文化財)が園内にあります。穏やかな表情の中にも義に熱い、福田さんの果樹に対する思いは先祖伝来のもののようです。

■福田グリーン農園
茨城県かすみがうら市下佐谷777
Tel. 0299-59-3251
Fax.0299-59-5466
>福田グリーン農園 http://www.fukuda-green.co.jp/
>福田グリーン農園 >千代田果樹観光協会
http://www.city.kasumigaura.ibaraki.jp/kankosuisin/kajukankou/kajukankoutop.htm

ページの先頭へ

手軽にプロモーションサイトを作る

いばらきの生産者

鬼澤食菌センター
鬼澤宏さん
DATE 2023.09.25
大場農園
大場克利さん
DATE 2023.06.30
山一ファーム
石田和徳さん
DATE 2023.05.25
箕輪農園
箕輪竜さん
DATE 2023.05.18
> 生産者の地域

> 過去の情報 

特集

未来農業報告書

いばらき野菜地図

食と農のデザイン