いばらきの生産者

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 水戸市と那珂川をはさんで豊かな田園風景が広がるひたちなか市勝倉地区で代々農業を営む家に産まれ、農業後継者を目指して新潟大学、同大学院を修了。渡辺さんはさらにスイス留学を経て2006年に実家へ戻り就農しました。青雲の志を抱く若き農業経営者は、直接消費者と向き合う完全直売で将来を見据えています。

ユニークな消費者とのつながり都市近郊型農業のニュースタイルに挑戦

 
-実家の農業を継ぐことに抵抗はなかったのですか?

渡辺さん 子どものころから農業をやろうと思っていました。大学では稲作を学びました。元々実家は水田が中心です。現在は借り受けも含め水田7ヘクタール半、畑は1ヘクタールほど栽培しています。野菜類はすべて直接販売しています。また、ヨーロッパの農業大国に囲まれているスイスの農家で、研修生として1年間学んできました。スイスは観光立国ですが、その景観を守っているのは農家です。有機栽培で、観光農法というのを体験しました。

-野菜の出荷先は一般の家庭なのですか?

渡辺さん 以前は東京のレストランさんなどにも送っていたのですが、野菜は新鮮なままでお届けしたいと思い、水戸やひたちなかなどの消費者だけにしました。野菜の値段は父親の代から価格は変わっていません。何でもひとつ100円です。この価格は30年たった今でも変わっていません。各地のマルシェイベントなどにも積極的に参加しています。

-消費者との交流を深めるユニークなイベントも開催されていますね。

渡辺さん 父親は自然保護運動にも取り組んでいたので、レンゲを使った稲作や幼稚園児たちの農業体験などを実施してきました。現在でも年間通していろいろなイベントをやっています。冬場の時期には味噌の手作り教室を開催しており、毎回多くのお母さんたちが参加されています。

-農場での落語会などもユニークですね。

渡辺さ​ん これは、うちの農場に来てくれていた方のつてで開催しています。3回目になるのですが、三遊亭楽生師匠が来て、独演会を開いてくれます。この辺で、本物の落語家さんの噺を聴けるチャンスはないので、毎回大盛況の催しですね。

-最近は外部のコンサルタントにもアドバイスを受けていますね。

渡辺さ​ん やはり営業のプロの方の指導は役立ちます。5月の母の日に合わせて水戸京成百貨店のトツカフローリストさんとコラボして、野菜を使ったデコレーションバケットを販売しました。これは飾ったあとは調理できるものです。野菜の販売法もいろいろ考えられますね。また市内のカフェと共同でマルシェを開催するなど、立体的な販売方法が出来上がってきました。

-今後はどのような展開を図っていくのでしょうか?

渡辺さん お米の販売方法として、お子さまが産まれた家庭向けの返礼プレゼント商品として、お子さまの出産時の体重と同じだけのお米を内祝いとして販売する企画を計画しています。今年の春には商品化します。現在は家族3世代で農業をしていますが、将来的には「渡辺さんのところの野菜を買いたい」というお客さまの要望に応えるためにも規模拡大も図る必要があるかもしれません。

【取材録】

 渡辺さんのお父さんの重行さんは自然保護運動家として、自然や農業への関心が深く、安全・安心な農業環境に尽くされています。その薫陶を受けた渡辺さんは、父親の意志を引き継ぎながらも外部コンサルなどの意見も取り入れ、新しいスタイルを形作ろうとしています。渡辺さん宅のシンボルケヤキの木は、春を向けて、新たな葉を広げようとしていました。
>ホームページ http://ffwatanabe.web.fc2.com/

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