いばらきの生産者

HOMETOPICSTOPICS01 > 奥久慈りんご園

 県内有数の山間地・大子町。平坦な土地が少なく、農家はわずかばかりの田畑を耕作するしかない土地にリンゴ栽培が普及したのは約50年前でした。きっかけは戦時中、愛馬が徴用された思い出にと、黒田一さんが植えた一本のリンゴの木。当時南限だったリンゴ栽培はやがて大きく開花。現在は60軒が栽培に取り組んでいます。JA茨城みどりりんご部会長・塙正比古さんに大子町ならではのリンゴ生産の現場を案内してもらいました。

気候風土と観光にマッチ

-大子町で鎮護栽培が普及したのはいつごろからなのでしょう。

塙さん リンゴに取り組む前はわずかばかりの水田を耕していたのです。傾斜地も多く、農家は大変でした。大子町にリンゴが普及したのは50年ほど前で、現在は2代目、3代目が跡を継いでいます。傾斜地でも育ち寒暖の差があるこの土地がリンゴに合ったのです。今でこそ何とかやっていますが、ここまでは大変な苦労がありました。

-耕作の規模や収量はどのくらいあるのですか?

塙さん 現在60軒で60ヘクタールの面積があります。大体10アールで2~3トンの収穫があります。ほとんどが観光でやっていますので、品種も多く70品種ほど栽培されています。1本だけという木もあり、それはお客さまのニーズに応えるたためだけの木でもあるのです。

光を浴びて育つリンゴ

-リンゴの栽培のサイクルはどのようになっていますか。

塙さん 収穫は9月から12月までですが、冬に枝のせん定を行い、4月に花が咲くと間引きします。果実が出来ても摘果を行います。リンゴは葉っぱ50~60枚に1個が適正です。葉っぱから栄養を得るのです。しかも、まんべんなく光を浴びるようにテープで支えたり、木の下に反射シートを敷いたりします。

-リンゴには光が大切なのですね。

塙さん 全面に光が当たるようにするため、無袋栽培が主流です。冬の枝のせん定の時にいかに光が当たるようにするかの技術も必要です。手間が掛かるので、労賃などの問題で企業が参入できないのです。ですからどこも家族総出で、繁忙期にだけご近所の手を借りています。

客の嗜好に合わせた栽培

-ほとんどが観光客でさばいてしまうのですか?

塙さん 大子の秋の観光は「袋田の滝」、「紅葉」、そして「リンゴ」です。リンゴ狩りを楽しんでもらうことが観光の一つになっています。リンゴ園に立ち寄ってくれて、味わってもらってリピーターとなってくれるお客さまもいます。毎年、楽しみにしてくれる方もいて、そのニーズに応えるように努力しています。

-お客さまの嗜好はどのような傾向がありますか?

塙さん リンゴはシャキシャキ感が命です。私たちはリンゴが柔らかくなることを「ボケる」と言いますが、2~3週間はボケないシナノゴールドやシナノスイートなどが好まれています。また、文字を書いたところが残るように私のところでは「夢りんごオーナー樹」という木も育てています。お子さま連れや、メモリアルに利用してもらっています。

幻のリンゴ「こうとく」の存在

-品種が多くいろいろなニーズに応えることができるのですね。

塙さん 市場に出すことを考えたらこんなに品種を増やすことは出来ません。真っ赤に熟し割れたリンゴだけを買いに来る方もいます。私として栽培したくないのですが、毎年楽しみにしている方もいてそれに応えなければなりません。きめ細やかなサービスが観光農園の使命かもしれません。

-全国的に話題の品種も手に入るようですが。

塙さん それは「こうとく」という品種です。小さくても蜜が詰まっていて、全国的に入手できない幻のリンゴと言われています。市場には出回らないので、ここでしか買えない品種です。お客さまは美味しければどこまでも来てくれます。ここに来なければ買えない-というリンゴを作ることも大切です。お客さまの反応を見ながら、常に新しい品種を導入していきます。

【取材録】

「リンゴが赤くなると医者が青くなる」「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」と言われるリンゴ。食物繊維やカリウムが多く含まれ健康食品としても注目されています。多品種で多様なニーズに細かに応える大子町のリンゴ。均一、大量の品質が求められる市場には打って出ることなく、地元でしか販売しない。その姿勢が大子町のリンゴが茨城のブランドとしての地位を確固たるものにした理由のようです。
観光りんご園一覧/http://www.town.daigo.ibaraki.jp/index.php?code=28

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