いばらきの生産者

HOMETOPICSTOPICS01 > いとうさんちのトマト

 グーグルアースで北浦のほとりの水田地帯を追っていくと、銀色に輝く四角い一角が見えます。そこが、かつて東京都内のセレブたちが舌を巻いたという「いとうさんちのトマト」のハウス群でした。実際に現場を訪れると、水田に建つハウスの中はふんわりとしたトマトの香りに満ちた空間が広がっていました。

トマト栽培と後継者育成のミッションを負う

-最高のトマトがあると聞いてきました

伊藤さん トマト一筋でやってきて、いわゆる「ドン高」というものを生産してたんです。味も値段もトマトの中では最高でしたね。

-方向転換して、今は地元で売っているのですか

伊藤さん セレブと呼ばれる人たち相手に、輸送コストを掛け、高い箱に詰めることで、とんでもない値段になってしまう。しかし「地産地消」という言葉が出る前に、地元のスーパーと向き合うことにしたんです。

-価格は下がったのですか

伊藤さん 余計なコストが掛からないのですから、安く提供できます。しかも多少格好が悪くても地元のお母さんたちは買ってくれます。同じ味で、しかも新鮮なものです。ほかのトマトよりは多少値段は高いですが、おいしさで選んでもらっています。

-最高のものを安く地元へということですね

伊藤さん しかも、安心、安全ということを抜きにしては語れません。代掻き還元型という技術で土壌改良にも取り組んでいます。ハウスの中の二酸化炭素を調整する方法も独自に開発しました。

-県内で第1号のエコファーマーの認定も受けている

伊藤さん 元々、女房の手が荒れるのが原因で、22年ほど前から農薬を減らしていくことに取り組みました。当時は周りの人からも『農薬を減らしてどうして儲かるのか』と言われ、喧嘩になりそうになったこともありました。でも、10年後に生き残れるのか、3年後に苦しむのか、結果は明らかです。今ではみんな低農薬化が当たり前になりました。

-伊藤さんのノウハウは多くの後継者へも伝わっていますか

伊藤さん 弟子は兵庫県など県外にもいます。現在は農業経営士協会の担い手確保育成委員会の委員長もやっています。

-後継者育成ということですね

伊藤さん 若い人は農業は儲からないという感覚を持っています。でも職業として成り立つことを知ってもらいたい。土地もなく家もなく、技術も販売力がなくても、我々スペシャリストが教えます。高校や大学など年に20回は特別授業をやっています。県内では新規就農者は250人くらい必要なのに180人ぐらいしかいないのです。

-このままでは、茨城の農業も危ないと

伊藤さん ふところに優しい農業じゃなくてはいけない。若い人に夢を与えたい。農業の将来を担ってもらいたいですね。

-トマト栽培の課題はあるのですか

伊藤さん 農薬の限りないベースゼロを目指しています。栽培技術は上がっていますが、新しい病気も発生しています。今、日本のトマトは『感染列島』状態なんですよ。種苗メーカーと協力して、種の保存も行っています。

-トマト以外にも何か生産していますか

伊藤さん キュウリもやっていて、これはワンタッチキュウリというのを出しています。キュウリはとげが取れると水分がどんどん失われいきます。ですから、とげが取れないように一回しか触らない。期間限定ですが、朝9時間までに収穫して12時には店に出せるようにしています。

-これから就農を考えている人にメッセージを

伊藤さん 体にいいものは食べてみれば分かります。トマト10個食べてゲップをしてみれば本当に良い味が分かります。最初に誰のために作るのかという原点に立ってほしい。安心・安全の次に来るのは「信頼」です。

 

【取材録】

 伊藤さんは「どこにでもあるものは作りたくない」と言い切る。日本では一番多く食べられる野菜はトマト。だから「たかがトマト」なのだが、伊藤さんのトマト作りの成果は「されどトマト」を実感させるにあまりある味を生み出している。常にエンドユーザーを忘れない、そのことが農業で成功する唯一の秘訣であり、生産者としての使命でもあるようだ。
>ホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~itou-k-s/index.html

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