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HOMESPECIAL > 生産から加工、販売まで地元で6次産業化図る

鉾田市内ですべてがまかなえる農業を

 国内でも有数の野菜の生産地である鉾田市。高品質な野菜を生産してもその後は市外の加工所などで製品化され、いつまでも生産物出荷だけの地域として、これまで「おいしいところは、よそに持っていかれる」という生産者意識がありました。「何とか地元で加工して、販売までやれないか」と立ち上がったのが同市商工会青年部の15人の若者たちでした。

企業組合として本格的に産業化に取り組む

 2012年6月に年長者である小橋一男さんを中心に「ほこた農商工企業組合」が設立されました。出資者は商工会の青年部の会員たち。「青年部では営利とする加工・販売はできない」と、企業組合化を図り、旧鹿島鉄道鉾田駅前の空き店舗を借り「ほこてん」を開店させます。そこでは鉾田の特産品の加工と販売を行う場として、また鉾田ブランドを全国に発信する場として、鉾田の若者たちの青雲の志が詰まった場所となりました。

加工品の第1歩は「いちご酢」から

 店舗「ほこてん」の奥に設けた加工所には10日に1回ほど、夜になると男たちが集まってきます。彼らはいそいそとエプロンや手袋、帽子などを身に付け、鍋に火を起こし、イチゴを煮出して、最初の加工品である「いちご酢」の生産を始めるのです。小橋代表理事は「加工品の発想は3年ほど前からあり、色々とリサーチしていました。幸い商工会青年部の仲間は全国におり、千葉の仲間からヒントをもらいました。イチゴを使って一年中作れて、賞味期限が長いものとして『いちご酢』を始めたのです」と話します。生産量は1回に150ミリリットル入を120本ほどで、「甘すぎず、すっぱすぎず、苺の味が楽しめるものを」とユーザーの声などを反映させながら生産から加工まで行った正真正銘の「鉾田ブランド品」が誕生しました。

加工品のアイデアも続々と生まれる

 「いちご酢」は1本1000円という価格設定で販売。市内のレストラン、料理店などで使ってもらえる販路も徐々に開拓しています。ほかの飲み物に割って飲んだり、ヨーグルトやアイスクリームにかけたりとスイーツ店での利用拡大も図れる便利商品です。「いちご酢」に続いて第2弾として商品化を予定しているのは「ドライ苺」です。イチゴをスライスして乾燥させたチップで、これまた旬のイチゴを一年中楽しめる商品です。「でも、原価と手間を考えると、高価なものになってしまうのがネック」と大槻幸之助産業部部長は、商品化に向けて、課題克服に挑戦しています。

行政主導ではなく民間からのパワー

 メンバーはさまざまな自営業者の集まりです。しかし、東日本大震災で大きなダメージを受けた鉾田市の再生のために、農産物を使って新たな産業を起こして「鉾田に元気を取り戻そう」という気概に溢れています。小橋代表理事は「これからは農業生産者もメンバーに加わってもらって鉾田市産の野菜のPRなども行っていきます。イチゴのほかにもメロン、イモ、トマトなど代表的野菜と加工品製造と販売をリードして、地元雇用を生み出す産業に育てたい」と、将来像を描いています。

【取材録】

 茨城県民ならだれもが鉾田市がさまざまな農業生産物の日本一の産地であることを知っていると思います。しかし、首都圏をはじめ多くの人が飲料や菓子、スイーツに鉾田市産の生産物が使われていることを知りません。原材料の生産地で終わらせるのではなく、加工から販売まで、鉾田市の名前をブランドとして確立させるために、大きな市場に一石を投じた「ほこた農商工企業組合」の波紋の広がりに期待は膨らみます。

■ほこた農商工企業組合
鉾田市鉾田2595-11
0291-34-4121

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