COLUMN 02 いばらき野菜地図

HOMECOLUMNCOLUMN02 > 江戸崎かぼちゃ

おだやかでやさしいアイツ

 ほこほこしていて、繊細な甘さ。かぼちゃはあんなにもどっしりとして、果肉の黄色は目に差し込んでくるのに、その食味は、どこまでもやさしい。産地は日本全国さまざまあるうえ、種類もたくさんありますが、どうしたってこの時期になると、江戸崎かぼちゃが食べたくなります。

 霞ヶ浦と利根川に挟まれ、茨城県では南に位置する江戸崎(稲敷市)。ここで作られるかぼちゃは、ただ“かぼちゃ”と呼ぶのではなく、“江戸崎かぼちゃ”と呼びたくなるほど、口と脳が「なんだかちょっと違う」とひいきしてしまいます。今でこそ、その名前は全国区になりましたが、ここまで至るには簡単ではなかったといいます。かつて、この地域ではすいかや白菜を作っていました。これに代わる作物を作ろうと、1970年に7名の生産者でかぼちゃを作り始めたのです。この選択が正しかった。

 この地域は関東ローム層の火山灰土壌。かぼちゃの生育にはうってつけの地質です。早めに収穫して、出荷すれば高値で取引はされますが、完熟してからの収穫や、有機堆肥の使用など徹底的に土作りにもこだわりました。ですが、その当時かぼちゃといえば九州産の、黒皮かぼちゃが一般的。江戸崎かぼちゃにも代表される、ほくほくした食感のえびすかぼちゃはあまり知られておらず、なかなか買い手がつかなかったといいます。

 しかし、このタイムラグが幸運の鍵。かぼちゃは早めに収穫すると、まだ甘みがのらずに水っぽいこともままあります。ですが、この出荷が遅れたことで、デンプンが糖質に変わって甘みが引き出されてほっくほく。かぼちゃが一番おいしく食べられる状態になっていたのです。おいしいかぼちゃを届けることができれば、あとは一人の“おいしい”という感想がどんどん広がり、今の江戸崎かぼちゃの愛されぶりにつながります。江戸崎ではかぼちゃが多く作られていますが、一定の基準をクリアしたものだけに、黄金の“江”マークのシールが貼られています。

 応援したくなってしまうのは、おいしいということだけではなく、どこまでも江戸崎かぼちゃの味を守ろうとする作り手の姿勢です。土作りや、収穫のタイミングの規定には厳しすぎる、との声もあるといいます。その規定をゆるめるのは簡単なこと。とはいえ、こだわりに、こだわりぬいた箱入り娘だからこそ、今までこの品質を守ってこれたのでしょう。おいしいものには理由がある。おいしいものには作り手の想いと頑張りがある。そのかぼちゃが育った背景を思うと、私が作ったかぼちゃの煮物だって、何倍にもおいしく感じてしまうのです。

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いばらき野菜地図

ぽろたん
【オリジナル品種】
DATE 2011.11.28
落花生
【牛久市】
DATE 2011.10.31
あきづき
【オリジナル品種】
DATE 2011.09.29
しいたけ
【常陸大宮市】
DATE 2011.06.29
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