COLUMN 02 いばらき野菜地図

HOMECOLUMNCOLUMN02 > エシャレット

誤解が生んだ成功。

 エシャレットを語るうえで、まず知っておきたいのがこの野菜の正体。本来エシャレットとは、小たまねぎの一種で、写真のものは正確には若採りしたらっきょうです。静岡県は浜松地区で、若採りしたらっきょうを葉つきのまま出荷し始めたことが最初です。この際に“エシャレット”と名付けて流通させた、いい意味での間違いが、現在まで続いているというのです。“若らっきょう”と呼ぶべきか、はたまた“エシャレット”と呼ぶべきか。音の響きだけで、こうも印象が違うものなのでしょうか。このカタカナの名前により、おしゃれな印象を持たせる効果があることは否めません。

 じつは、収穫量が茨城県と静岡県の2県だけで全体の9割を占めるといいます。県内では、行方市の玉造地区での栽培が盛んです。栽培の始まりは30年ほど前のこと。しかも、エシャレットの業界では、茨城県、もとい行方の存在はなくして語れません。霞ヶ浦と北浦に挟まれた行方台地で栽培され、昭和63年には県の銘柄産地指定も受けています。

 一般的ならっきょうとは栽培方法が少し違い、深植えをして白い部分をできるだけ多くつくります。白い部分が7cm以上あることが、出荷の条件のひとつなんだとか。出荷時期は5月下旬~8月と、初夏から夏にかけて出回ります。

 さわやかな辛みが、脳内を刺激し、まさに暑い時季のための野菜だと納得する味。とはいえ、味噌をつけてそのままぽりぽりとかじるのが定番で、食べ方のバリエーションが多くないと思われがちなのが残念なところです。逆にいえば、今後の消費量が増える野菜のひとつだと、期待ができると思うのです。

たまねぎにも似たその味を思えば、自然と食べ方の幅が広がります。簡単なものでは、生ハムをぐるりと巻いたり、バジルとマヨネーズを混ぜたソースをディップして食べるのも食べ方のひとつ。たまねぎの要領で、刻んでソースやハンバーグの具のひとつにもなります。美しい白色は隠れてしまっても、シャキシャキとした食感や独特の辛みが、どんなときでも存在感は消えることはありません。こうして妄想しているだけでも広がる、エシャレットの食べ方。白く美しいこの野菜の向こうには、無限の可能性が広がっています。

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いばらき野菜地図

ぽろたん
【オリジナル品種】
DATE 2011.11.28
落花生
【牛久市】
DATE 2011.10.31
あきづき
【オリジナル品種】
DATE 2011.09.29
しいたけ
【常陸大宮市】
DATE 2011.06.29
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