COLUMN 01 未来農業報告書

HOMECOLUMNCOLUMN01 > 「イメージは共同経営」同世代が集い、農業の道を切り開く

茨城県かすみがうら市でグラジオラスや人参などを栽培している小松崎園芸。その代表を務めるのが、今回お話を伺った若手農家・小松崎友二さんです。小松崎さんと共に働く仲間は、全員20代〜30代(2017年4月現在)と若手ぞろい。小松崎さん自身も30代とあって、同世代の仲間同士で和気あいあいと農業を営んでいます。キーワードは「コミュニティ」。同じ志を持った仲間が、より良い農産物を生み出す原動力になっているようです。

農業を志す若手が集結

ー同年代の男性4人で運営されていますが、どのようなきっかけで集まったのですか?

小松崎さん 震災の前々年に私一人で独立をしたのですが、機械もなければ人もいない状態でしたので、どこかで仕事が間に合わなくなるんですよね。繁忙期には特に。私は簿記や経理などの細かい作業が苦手だったので、自分と正反対の人がいたら助かるなぁと思っていました。そうして、独立した翌年から一緒に働くようになったのが、田口くんでした。田口くんは私と年齢が同じで、以前の職場では一緒に働いていたのですが、その時から「一緒に農業をやろう」と誘っていました。何より、私と違って細かい作業が得意だったので、一緒に働いてくれて非常に助かっています。
五十嵐くんは横浜出身で、大学を卒業してからうちで働き始めました。佐々木くんは独立志望者で、埼玉県で別の仕事をしていたのですが、本格的に農業をやりたいということで、仲間に加わりました。

ー役割分担はありますか?

小松崎さん 田口くんは、会計などの事務的な分野。五十嵐くんは栽培技術や管理を担当。独立志望の佐々木くんには、仕事全般を教えています。私は、機械的な部分と、販売・生産性などの経営面を担当しています。

みんなで意見を出し合い、みんなの目的を統一する

ー一緒に働く仲間に求める要素は何でしょうか?

小松崎さん 共同経営のイメージを持ってもらいたいですね。普通のサラリーマン的な感覚ではなく、会社の役員みたいなイメージです。農業をやるにあたって、私の中では「楽しく仕事をする」という部分が大事で、その「楽しい」の定義がすごく重要だと思っています。答えが決まっていると面白くない。自分たちで考えて結果を出していくのが面白い。言われた通りにやっているだけでは、判断力を養う機会を失ってしまいます。それでは、農業という仕事の魅力を感じることはできないでしょう。私は、みんなで意見を出し合って、目的を統一することを重要視しています。それに賛同してくれる方と一緒に働きたいですね。今のところは、みんながそれに賛同してくれて、いい流れで来ています。

良い仲間が、良い仕事を作る

ー同年代の仲間たちと一緒に、農業をやるメリットは?

小松崎さん 露地栽培という環境では、天候や病害虫など様々なリスクを抱えながらの仕事になるため、臨機応変な対応が求められます。そのため、仕事をする上で考える力・判断する力といった能力と責任感が必要です。そのためには、長い目で農業に携わってくれて、コミュニケーションがとりやすい、同世代で気の合う仲間が欲しいと思いました。今いるメンバーは、みんな覚悟を持ってこの世界に飛び込んできた人ばかり。私にとって心強い家族のような存在です。

人と会うことは、自分への投資

ー若いメンバーだけで、不安になることはありませんか?

小松崎さん 私たちの能力はまだまだ未熟なので、もちろん不安になることもたくさんあります。ですが、その不安が自ら学習したり、情報収集をしたりするきっかけにもなっています。それでも、やはり農業を一人でやるのは困難なので、地域や販売先のコミュニティには積極的に参加しています。コミュニティに参加することで、情報交換や視察研修などを通して知識を増やすことができて、販路が拡大したり、作業が合理的になったりと、プラスになることが非常に多いです。増えた知識の中から自分で答えを見出して、選択しながら進めていく、その面白さを仲間達にも味わって欲しいですね。

ーコミュニティに参加することで、足りない部分を補っているのですね。
 

小松崎さん そうですね。これは農業に限ったことではないと思いますが、いろいろな人に会ったり、物を見たりすることは、自分の中の「材料」が増えるのでやった方がいい。材料を増やしていくことで、自分自身のスキルも上がり、経営的な方向性が定まりやすくなります。多少コストはかかりますが、それで自分たちが成長できるのであれば、いい投資だと思います。

地域・市場とのマッチングが最優先

ー最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

小松崎さん 現在生産している物は、もともと自分が作りたい物かというと、そうではなくて。何かを作りたくて農業をやっていた時代もありましたが、それが需要にマッチしていなければ結局は事業として成り立ちません。ですから、今は地域や市場が自分に何を求めているかを考えて、そこにマッチングさせた物を作っています。経済的に余裕が出来たら、自分たちが作りたい物を作ろうとも思っていますが、もう少し先になりそうですね。まずは基盤として、きちんと事業を「続けること」が大前提。より豊かな生活を送るためにも、私たち自身がしっかりと成長していかなければ、と思っています。

【取材録】

小松崎さんが一人で農業を始めて一年目、作物はほとんど育たず「大失敗をした」とのこと。それから6年が経った今は、グラジオラスと人参をメインに、様々な野菜を育て、出荷できるようになりました。その成功の背景にあったのが、一緒に働く同世代の仲間であり、地域の生産者たちのコミュニティでした。小松崎さんにお会いして、良いコミュニティが良い仕事を生み出しているのだなぁ、と実感することができました。

■小松崎園芸
茨城県かすみがうら市中台

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